BOOK: Atomic Bomb Surveys Under American Occupation: How Japan Became a Nuclear Aggressor (1995) [Japanese]

Sasamoto, Yukuo. 笹本征男. 1995. Beikoku senryôka no genbaku chôsa—Genbaku kagaikoku ni natta Nihon. 米軍占領下の原爆調査―原爆加害国になった日本 [Atomic Bomb Surveys Under American Occupation: How Japan Became a Nuclear Aggressor]. Shinkansha. 新幹社.

米軍占領下の原爆調査原爆投下から原爆医療法ができるまでの期間は被爆者にとって暗黒の十年であったといわれる。このうち七年間、日本はアメリカ軍に占領されていた。本書はこの時期に何があったのかを被曝者を対象とした原爆調査の歴史から検証し、原爆加害国であるアメリカに協力していった原爆被害国日本の加害性を問うものである。

本書においては日本とアメリカの被爆者調査が何を目的としていたのか、日米がどのように調査協力していったのか、実際にどのような原爆調査が行われたのか、等詳細な検討がなされる。その上で著者は、妊産婦と新しく生まれてきた乳幼児に対して徹底的な調査が行われたこと、また史上例をみない規模で人間集団を対象とした(原爆投下を受けていない都市を比較対照とした)比較対照実験が行われたことを強調する。かつてない「原子力時代」に突入した時、広島、長崎の被爆者は格好の調査材料とされ、日米両国に利用されたのである。

3月11日の地震とそれに伴う原発災害により、地球上に生きている私たちは「原子力時代」に生きていることを唐突に再認識させられることとなった。低線量被曝の問題は今日の日本メディアの主要な関心となっているが、その裏には調査材料とされデータを提供することになった多くの核時代の犠牲者たちがいたことを忘れてはならない。本書は、「今の時代はまさに「来てしまった平和な『原子力時代』」である。そこに生きる私たちの存在が問われているのである」と結ばれている。

– Maika Nakao

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